ALC壁塗装施工について

近年、ALC 壁面の塗装施工依頼が増えてきています。修繕には、外壁塗装だけではなく版間目地や開口部(窓や換気口廻りなど)のコーキングの止水や既設屋根仕上げの仕様など、様々な観点からの診断と施工仕様の決定が必要です。不具合が起こっている場合、必ず原因があります。現調(お見積り時の現場調査)を徹底して行い、その原因を突き止めた後適切な処置をしなくては意味がありません。

ALC壁の簡単な知識

これら以下の画像は、それぞれよく見られる症状です。

ALC 壁材は、多くの小さな気泡を持ち調湿効果があります。よって、端的な言うと通気をしているような状態です。水気を嫌うため、タイル貼りなどの湿式工法(モルタル系下地材や目地材などを使用する工法)で覆う仕上げは特に劣化を招きます。素地そのままという訳にはいきませんので、防水性(防水塗材は不向き)を高めるために塗装しているというのが本来の役割になります。

しかし、経年劣化することでその塗膜が低下していき、開口部(窓廻り・換気口廻り)や版間目地(縦横の溝・繋ぎ目)のコーキングも劣化し、そこから雨水の侵入が起こることでALC壁材が腐食していきます。

画像にもありますが、特に窓の左右下部は雨水の通り道になることから、急激に損傷していくのが通例です。

このようにならない為にも、他の外壁材のメンテナンスと同様に定期的に修繕することが大切です。


修繕施工事例

①札幌市東区 某法人会社様施工例

十数年間修繕工事をされていなかった為、窓開口部や版間目地などの劣化したコーキング等から雨水が侵入しALC壁が損傷していました。また、以前の修繕工事において窓廻りなどのコーキング処理も簡易的だったこともあり、より劣化が進行していました。損傷してしまった壁面箇所は、補修材にて成形した後塗装を施しました。

定期的な修繕を怠ったのが大きな原因です。

  施工一覧   壁面数量 240㎡

仮設足場設置(飛散防止ネット含む)

水洗い高圧洗浄清掃

版間目地・窓開口部等各所コーキング 部分脱着及び増し打ち

壁面ALC塗装

(水性厚膜シーラー1回塗り+水性シリコン仕上げ2回塗り)

軒天塗装

その他各所鉄部等塗装

施工前現調状況

施工中~完成画像


②札幌市手稲区 某法人会社様施工例

窓開口部からの雨水が窓内部へ侵入し、長期に渡り悩まされていたお客様です。

雨漏れ修繕の知識と実績のある屋根専門業者の株式会社マツモトルーフ様との協力施工により、細部まで修繕改修しました。

窓廻りなどの開口部のコーキングとサッシ窓本体の硝子のコーキング、版間目地を含めた全てのコーキングを打ち直しました。

塗装全施工完了後、高圧水洗い洗浄機にて窓廻りを中心に水掛け漏水試験を行いましたが、水の侵入は一切無くなり完全に止水することが出来ました。

過去に施工したサッシ窓の入れ替え時の施工不良が原因と思われます。

施工前現調画像

施工中~完成画像


③小樽市 K様邸施工例

意匠性のあるブロック柄のALC壁面と、一部RC壁の戸建て住宅です。

ALC壁面は、新築時の塗装工程と塗料選択に不備があったと考えられ、雨水や水道水で濡れた時に塗料が流れ落ちるという不具合が発生していました。このように壁面の保護がされていなかった事もあり、劣化と損傷が著しく進行している現状でした。また、一部RC壁に関しても内部の鉄筋が外側に近い距離で埋設されており、至る所が画像のような爆裂が生じていました。お客様にも、都度ご報告とご説明をさせていただきながら施工にあたりました。上記建物同様に、窓廻り及び換気口等の開口部と版間目地のコーキング処理に重点を置き、ガラスブロックなどその他の部材のコーキング処理も出来る限り最善の方法で施工致しました。

RC壁面は、爆裂箇所の数量と欠けた部分の高低差が大きかった事もあり信頼できる左官業者にて下地調整をお願いしました。

施工前現調画像

施工中~完成画像


ALC壁は、他の壁材と比べ簡易的なコーキング修繕処置は難しいと考えています。

外壁内部にサイディング壁に用いられている様な『防湿防水シート』等が使用されていないので、コーキングが劣化した場合直ぐに雨水が壁内部へ侵入します。

この様な状態が続く事で損傷箇所が著しく腐敗進行してしまうのも特徴です。

特に、壁面の突起物である窓を伝う雨水が左右下部に集中して流れるため、コーキングの劣化を日頃から注視する必要があります。

 

また、屋根から躯体への雨水の侵入が原因の場合も多くありますので、ご心配のある場合は信頼の出来る業者へ調査依頼することをお勧め致します。

 

修繕を諦めてしまい、ALC壁の上からサイディング材を増し張りする施工方法のお問い合わせも多くあります。

この施工方法は、必要である木下地の施工方法と壁通気の理由からお勧め出来ません。

一番大事なのは、大きな損傷になる前に適切な修繕保護を施す事です。